ウィーン条約に基づく外交特権、治外法権そして外交官ナンバー

サウジアラビアのジャーナリスト
ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏が
トルコ・イスタンブールで行方不明となっているニュースが
連日報道されているのを見て、ふと疑問に思った事があります


なぜ?、報道機関によってサウジアラビア総領事館だったり
サウジアラビア大使館だったり、サウジアラビア領事館だったりと
言い方が違うのか・・・とても気になってしまいました


そこで、在外公館とはどのような施設があるのか・・・
それぞれの施設の役割、そして外交特権について調べてみました



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□ 在外公館


世界各所にある日本の大使館  192


世界各所にある日本の総領事館 63  ※領事館は0です



◎ 大使館または公使館


その国の首都に設置されます(本部)


トップは特命全権大使または特命全権公使


大使館と公使館は、外交交渉のための施設です


◎ 領事館または総領事館


その国の主要都市に設置されます(支部)


トップは領事長または総領事長


派遣国内に居る自国民の保護や通商関係の援助、
各種手続き、ビザの発給などの実務を担っています





□ 外交ナンバー


大使館、公使館のナンバープレートは青地に白抜き文字で
「外」の文字が丸囲みになっています 「○外1234 」



別名は、ブルーナンバーまたは外ナンバーと呼ばれています


領事館、総領事館のナンバープレートは白地に青文字で


「領」の文字がついています「領1234」


利益代表部のものは「代1234」


ウィーン条約に基づき外交官などの車両は外交特権で守られています


その国の法律が対象外となっています


また、自動車税の納付義務もありません。



□ 外交特権


ウィーン条約(1961)に基づき


在外公館は、外交特権を有しています
その敷地は不可侵であり、特命全権大使の同意無しには立ち入れません
本国の領土と同じ扱い(治外法権)です


また、外交官は逮捕・拘束されず
裁判権の免除、訴追もされない事が保障されています。


通関せずに持ち物を持ち込めます


外交特権は,外交官、在外公館、外交官の住居
家族にも適用されます



□ まとめ


トルコ・イスタンブールのサウジアラビアの在外公館は
一軒家のような比較的コンパクトな建物で
たぶん、その中に大使館、総領事館、領事館が全て入っていて
報道機関により呼び方が違うのかもしれません


よって、治外法権は外交特権、不可侵権を有していて
本人はもちろん、敷地、車両、家族などに対し
その国の法律は適用されないのです


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在外公館、それぞれの役割 外交活動または自国民の保護と各種手続き
written by tenten616(CW)